日南・串間に立地する企業を紹介する連載企画「お仕事調査隊」。本日ご紹介するのは、日南市南郷・目井津にオフィスを構える「株式会社basic」(以下、basic)です。2022年2月1日にオフィスを立ち上げたbasic。壁一面に描かれた絵やバーカウンターが特徴の、おしゃれで素敵なオフィスでお仕事をされています!basicはこのオフィスで「就労継続支援A型事業所」を運営しています。軽度の障がいや難病があり一般企業での就労が困難な方などが、社会復帰前の職場として一定の支援を得ながら働くことができる会社です。今回はbasic 代表取締役の中野慎太郎さん、サービス責任者の田中廣美さんに事業内容やオフィスの特徴、就労継続支援A型事業所として登録した背景をお伺いしてきました!代表取締役の中野慎太郎さん(左)とサービス責任者の田中廣美さん(右)1、株式会社basicってどんな企業?株式会社basicは中野さんと従兄弟の甲斐田さんのお二人で立ち上げた企業です。デザイン・web制作を主な事業とされています。現在は社員4名・パート4名の計8名が働いており、日南市在住の方がほとんどです。代表の中野さんは以前、東京都内でCM制作やデザイン業に携わっていました。その関係で、現在もお仕事の依頼主は東京都内の企業が多いそうです。一方、日南市内の企業の名刺デザインなども引き受けています。最近油津にオープンしたスナック「circle」のロゴデザインも手掛けられたとのこと。オフィスに入ると、壁に描かれた大きな絵に目を惹かれました。こちらは画家でイラストレーターの”YU SUDA”さんが描かれた作品で、タイトルは「最高の晩餐」。お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、名画「最後の晩餐」をモチーフにしています。登場人物たちはカツオや焼酎、地鶏など日南の名産品を楽しんでおり、「日南の魅力をもっと世界に発信していきたい!」という想いが込められています。2、就労継続支援A型事業所の特徴basicはそんなそんな素敵なオフィスを、就労継続支援A型事業所として登録されています。就労継続支援A型事業所とは・・・企業等への就労を希望しているものの、一般企業への就労に対して少し困難な障害のある方を対象に、就労に必要な訓練の提供、求職活動に関する支援、就職後における職場定着のために必要な相談等の支援を行う事業を行なっている事業所。※エスプールプラス様の記事より引用( https://plus.spool.co.jp ) どうして就労継続支援A型事業所に登録されたのか、代表の中野さんにお伺いしました。中野さん:basicを一緒に立ち上げた甲斐田が以前勤めていた企業が就労継続支援A型事業所を運営していたんです。その経験を活かせるということで、弊社でも挑戦することにしました。また、日南市内の就労継続支援A型事業所は、施設の掃除や苗植えなど体を動かすものが多く、IT系の仕事を提供できる場所がありませんでした。「デザインやプログラミングに興味がある方の支援ができれば」という想いがありました。有難いことに、現在はそういったスキルに興味のある方からの問い合わせを数多くいただいています。就労継続支援A型事業所に登録するには「サービス管理責任者」が必要で、その資格を取るには介護職での勤務経験が条件になります。今回お話をお伺いした田中さんは中野さんのお知り合いで、介護の職場で勤務されていました。中野さん:就労継続支援A型事業所に登録することを決めたとき、すぐに田中に声をかけました。笑 田中さん:中野さんにお声がけをいただき、事業所の立ち上げ時期から働いています!以前の職場は体力勝負でしたが、今はどちらかというと頭を使って仕事を進めます。不慣れなこともありますが、中野さんを含めいい人ばかりのアットホームな職場なので、楽しく勤務できてます!3、少しずつ新しいことに挑戦できる環境そんな田中さんが職場で担うサービス管理責任者は、事業所で提供するサービスが適切に提供できるよう、全体的な管理を行うことが役割です。勤務されている方のメンタル面のサポートや特性に応じたケアを行うことで、安心して働くことのできる環境づくりに取り組まれています。basicではデザインやコーディングといったITスキルがない方でも、少しずつ自分のペースで、できることからチャレンジできる体制を整えています。バナー制作のデザインといったちょっとしたお手伝いから始めて、できることを少しずつ増やしていくことができます。こうしたチャレンジができるのも、田中さんがサービス管理責任者として、安心して働く環境づくりをされているからだと感じました。田中さん:私自身も介護職からサービス管理責任者という新しい仕事にチャレンジすることができました。社員がお互いに助け合いながら、新しい仕事にチャレンジできる環境があります!4、地域と一緒に働くを楽しむ今回お話しを伺う中で、もう一つ興味深いことがありました。それはbasicが入居している建物の1階にあるお茶屋さん「お茶のかいだ」との関係性です。代表の中野さんをはじめとするbasicのみなさんと、お茶のかいだを切り盛りしているまちこさんはとっても仲良し!お茶のかいだ まちこさん(画面中央)中野さん:まちこさんとは社員を含めてよく一緒に昼食を食べています!まちこさんはお店を切り盛りしながら、カツオギャラリーや街歩きツアーなどまちおこしにも積極的に取り組まれていて、僕たちも混ざって一緒に作戦会議をさせていただいてます!まちこさん:2階にbasicさんが入られてからは、日常的に社員さんともお話しできてとっても楽しいですよ!最近は一緒にランチを食べながら「basicのバーカウンターを借りてカフェができないか?」と計画しています!取材の一環でお話ししているときも「そういえばこの間のイベントのやつやけどよ」「〇〇さんに声かけといたから!」と一緒に何かを企てていました!笑地域の方と一緒に、地域の方が喜ぶ仕掛け作りもされているのが本当に印象的でした!5、さいごに今回、取り上げた株式会社basicさん。僕自身こんな企業さんが日南にあるんだ!と驚くことばかりでした。就労継続支援A型事業所として積極的に採用活動を行っていたり、地域の方と一緒に交流しながら地域のためのイベントを考えていたりと、すごく特徴的な企業さんだな、と感じます。何より、その全てを楽しんでいることが取材を通して伝わってきました!basicの取り組みに興味がある方はぜひ連絡してみてください。取材に対応いただいた株式会社basicの中野さん、田中さん、そしてお茶のかいだのまちこさん、本当にありがとうございました!また遊びに行きます!!