こんにちは!ヤッチャの学校5期生のぞべです。2022年の夏。日南市・吉野方にある田村農園で農業体験をさせていただきました。農作業の合間に伺った田村さんの農業へのこだわりを、皆さんにもお伝えできればと思います。田村農園は、社長の田村通康さんと息子の健登さんが中心となって経営している農園です。冬の寒い時期にビニールハウスの中で栽培する促成ピーマンをはじめ、主食用・飼料用のお米を育てています。息子の健登さんは「父にとって農業は仕事ではなく、趣味のようなものですね」と笑います。通康さんは仕事が休みの日でも圃場に出かけ作業をしているほど、たくさんの情熱を注いで農業に取り組んでいます。知識も豊富で、就農して3年目になる健登さんでも、未だに教わったことのない作業があるんだそうです。農業へのこだわりそんな通康さんが抱く農業へのこだわり。それは「環境に配慮した持続可能な農業を実践すること」です。現在、地球上では気候変動や様々な環境問題が起こっており、誰にとっても他人事ではありません。通康さんも「環境についてひとりひとりが考えなければならない時代が来ていると感じている」と言います。通康さん:環境問題に対して意識を持つか持たないかはその人次第ですが、自分は関心を持っていたい。自分ができる持続可能なことを、自分の事業を通して実践したいと思っています。そんな思いから、田村農園では様々な形で環境に配慮した取り組みを行っています。冬場に栽培する促成ピーマンは、一定の温度を下回らないよう、ビニールハウスの中を温める必要があります。通康さんはその際に化石燃料ではなく、木質ペレットを主な燃料とするペレットボイラーを使用しています。資源に限りのある化石燃料の使用を抑えることができるためです。お米の栽培に関しては、減農薬・減化学肥料に取り組んでいます。一般的に、お米は肥料や農薬を減らすと収量が落ちてしまいます。そこで田村農園では、育苗箱を使って肥料を局所的に効かせる工夫をしたり、窒素成分が必要なタイミングで溶出する被服肥料を使うなど、収量を落とさないようにに工夫しながら、環境へ配慮した農業を行っています。もう一つの持続可能性その一方で通康さんは「事業主としては、もう一つの持続可能性にも気を払う必要がある」と話します。それは「事業」の持続可能性です。自らの家族を含めた従業員の暮らしを守るためには、田村農園の収益にも心を配る必要があります。通康さん:儲からないと生きていけない。経営のことを考えたら、もちろんよりお金を取れた方がいいけど、それをやったらいわゆる持続可能じゃないと思うからね。[/say]自分たちができることを、事業継続とのバランスを取りながら行っていく。それが通康さんのやり方です。できることをひとつずつこうした環境に配慮した取り組みを行っている農家さんは、決して多いわけではありません。「もっとたくさんの方に広がると良いですね」とお尋ねすると、通康さんは「あくまで好きでやっていることだから、強制はしたくない」と言います。その上で、田村農園の取り組みについては「自分だけの知識ではないから、公表することは惜しまない。どんどん伝えていきたいですね」と話してくれました。おわりにこれまで農業に関わることが無かった私にとって、店頭に並んでいる野菜やお米の生産現場に意識を向けることはなかなか難しいことでした。今回、田村農園さんに受け入れていただき、一緒に作業を行ったりお話を伺ったりする中で、農業に携わる方々の思いを知り、農業を取りまく問題について考える機会になりました。今は消費者という立場から、農業に携わる方々の思いをきちんと受け止めていきたいと感じています。こだわりを持った農業を続けている田村農園さんの農作物はこちらから購入できます。ぜひ覗いてみてください!